先般発生した運航乗務員の運航開始前アルコール検査においてアルコールが検知された事象について、
昨日、国土交通省東京航空局へ事象の調査内容及び再発防止に係る報告書を提出しました。
弊社ご利用のお客様ならびに関係者の皆様に大変ご迷惑をおかけしましたことを、改めて深くお詫び申し上げます。
弊社と致しましては、本事象を重く受け止めて、引き続き要因分析を行い、同様の事象が発生しないよう再発防止に
努めてまいります。
記
1.事象発生日
2019年1月21日(月)
2.便名
CUK401便(定刻 調布発 08:40=三宅島着 09:30)
3.経緯
➀ 1月21日CUK401便搭乗予定の2名運航乗務員のうち副操縦士1名について、
Show Up時のアルコール検知器による検査でアルコールが検知された。(0.12㎎/ℓ)
② 担当運航管理者から検査結果の報告を受けた運航部長は、当該乗員は搭乗不可と判断して
スタンバイの副操縦士に常務交替を指示し、CUK401便は定刻に出発した。
③ 当該乗員のその後の検査結果は、常務開始予定時刻(08:40)には0.07㎎/ℓであった。
4.本事象における問題点
➀ 当該乗員は会社全体で飲酒問題に対し、重大問題として対応している中、本事象を発生させたこと。
② 当該乗員は、アルコール摂取量について個人の判断で規定時間内の飲酒量を「3単位」までは大丈夫と判断したこと。
5.本事象の推定要因
➀ 規定等遵守意識の欠如
当該乗員は、当局の指導に基づく会社の飲酒対策について、昨年末に運航部長の対面指導等を受けていたが、
当事者意識に欠けていた。
② 自己のアルコール分解能力に対する過信
当該乗員は、アルコールの処理能力には個人により異なるため十分に注意するよう教育を受けていたが、
自己のアルコール分解能力を過信した結果、Show Up時アルコールが検知される結果となった。
③ 組織としてコンプライアンスに対する知識付与不足
飲酒対策については、当局の指導に基づき会社全体で対応を図ってきたが、今回の事象が発生したことは、
個々の社員レベルでは、当該対策の重要性が十分に伝わっておらず、“自分の事”化が十分でなかった。
6.再発防止策
(1)初期対応
➀ 全社員
全役職員に対して、本事例を踏まえた安全推進委員会委員長通達「飲酒問題に対する再発防止の再徹底について」を
発出し当該事例の周知と規定等遵守の徹底を図った。
② 全運航乗務員
全運航乗務員に「運航部長通達」を発出し当該事例の周知と規定等遵守の徹底等を図った。
③ 当該運航乗務員
当該運航乗務員については、本事象以降、事実調査を行うため当分の間、運航部長指示により乗務から外している。
(2)耐久的対策
① 組織対応
1)安全推進委員会において、経営トップを中心に継続的な「飲酒対策」と「健康管理対策」の実施
2)「飲酒対策」の文章等を社内規則に集約し、全社員に再周知
3)会社から飲酒に関する協力依頼文を乗員の各家族に配布
② 運航乗務員
1)自己管理を促進するための主な措置
・乗務12時間前以降の飲酒制限に加え、飲酒量に関して社内規則に明文化(新規)
・定期航空運送事業の全運航乗務員に呼気アルコール検査器を貸与(新規)
・継続的なアルコール教育プログラム及びアルコールカウンセリングの効果的な方法を検討(見直し)
・定期航空運送事業の全運航乗務員に対し毎日メールで飲酒管理、健康管理等に関する注意喚起(新規)
2)アルコール検査体制の強化
・ストロー式呼気検査器への更新(新規)
3)健康管理
・健康管理に関する教育資料の見直し、乗員の勤務体制等に合わせた教育資料の作成(見直し)
・健康管理に特化した面談等の実施(新規)
以上
2019年2月5日
新中央航空株式会社
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